芸のこやしだから
先日演劇に招待してくれた近所のお兄ちゃんのお母さまとバッタリ。
ご近所なのでちょこちょこ会いますが、前回観劇に行ってからはじめて会ったので改めて誘ってくれた事へのお礼をお伝えしました。
お兄ちゃんにも劇の後に会えたのですが、感激のあまり感想を伝えるにも熱が入ってしまってドン引きされたんじゃないかなーと思っておりましたが、そんな心配もよそに「また来てほしい」と言って下さいました。
よかったよかった。
お兄ちゃんは高校に入ってから演劇に出会い、すっかりのめりこみ、今はとにかく演じる事が楽しくて仕方がないとの事。
私は観劇が好きなので、近所の知ってる子が演劇をしているのが嬉しいのです。
なのでまたひたすらに感謝を伝えておきました。
うちの子らは演劇興味ないからなー。
もっと大きくなったらやりたいって言ったり……しなさそうです(^^;
お兄ちゃんがはじめて「楽しい」と取り組んだ事が『演劇』なのだそうです。
幼少の頃はスポーツ系の習い事をアレコレやっていたのは知っていましたが、お母さま的には「(スポーツ系の習い事は)無駄な事をさせてしまったのかも。もっと早く演劇と出会わせてあげたかった」と落ち込んでいらっしゃいました。
無駄なのでしょうか。
私はそう思わないです。
演劇って身体で演じる事だから、運動していた経験は絶対に生かされていると思うのです。
私は演劇は見る専門で詳しい事は何もわからないのですが、舞台の上で身体を大きく使える子と小ぢんまりとしてしまう子、その差は運動の経験値の差からくるものもあるのではないかなと思うのです。
私は小さい頃はクラシックバレエを習っていましたが、自分でイメージしている動かし方と実際の見え方に差があるなと思っていました。
なので鏡を見ながら練習して、その差をなくすようにしていたと思います。
今なら動画を撮って練習したりするのも良さそうですが。
舞台上で映えるように。
腕はもっと大きく動かした方がいいとか、もう少し大げさに動いたほうがいいとか。
広い舞台を、もっともっと大きく使おうとか。
技術的な事はもちろんですが、そういう『見え方』も意識していました。
バレエ経験者なら共感して頂けるのではないかなと思いますがいかがでしょう。
だけど今まで運動をしていなかった場合、自分の思っている『大きく動く』と、見えている『実際の動き』の差が大きいような気がします。
そして、直そうと思ってもなかなか身体が固くて思うように動かなかったり。
(もちろん、その差も人それぞれなので全員がそうとは申しませんが)
なので演劇部の練習の中にストレッチや体力作りなどがあるのかなと思っていました。
違っていたらすみません。
私の個人的な意見になってしまいますが、今まで運動してきたというのは身体を使う基盤作りをしてきたわけなのですから、サッカーなどの経験が『無駄』とは思いません。
単純に体力という面だけ見ても優れていると思いますし。
というか、演劇やるなら特に無駄な事なんてないですよね。
すべては『芸のこやし』になるのですから。
そんな話を簡単にお母さまに伝えて「だから無駄じゃないと思いますよ?」と言ったら涙ぐまれました。
演劇もワカラン私が言うのもおこがましい話ではありますが、そのお母さまの気持ちが少しでも軽くなるのなら、多少違っていても許されませんかね……。
思わず涙してしまうくらい、真剣にお子さんの事を考えていらっしゃったんだから。
声優やっている友人たちからもよく話を聞くので、そんなにズレてはいないと思いたい……デス。
****
この物語が終わるまで
あと17年365日